2013-01-01から1年間の記事一覧

渋谷慶一郎 Playing THE END at 表参道スパイラルホール(2013.12.28)

今年のライブ納めとして渋谷慶一郎のピアノソロコンサートに行った。会場は表参道の瀟洒なビルの三階のホールで、同ビル一階のカフェも、広くてピアノがあって、印象的だった。 舞台演出は去年のfor mariaコンサートと同じ様な感じで、中央に要塞のようなピ…

downy at 渋谷www(2013.12.18)

9年振りの新作が物凄く良かったダウニーのワンマン。今年は最期に真打ちが来たかと発表当時から凄く楽しみにしていたライブだったが、いまいち不完全燃焼だった。理由は一にも二にもPAのまずさ。僕の好みの音質では全く無かった。全体的にハイが強めのサウ…

キャリー(1976) - ブライアン・デ・パルマ監督

※以下、ネタバレしています。 スティーブン・キング原作。本作は初めて観た時、冒頭30分こそやや失敗したかなと思ったものの、トミーがキャリーを初めて誘う当たりから俄然引き込まれて、終わってみれば流石の傑作だった。烏とロバの合いの子の様なキャリー…

BRMC at 恵比寿リキッドルーム(2013.11.25)

橫浜の時は知らなかったのだがサイン会があったらしいとの噂を聞きつけ、公式サイトなどを見て回ると、フェイスブックに詳細がアップされていた。先着50名との事で、何となく有給を取得しておいて本当に良かったと安堵する。サインは当然レコードにして貰お…

BRMC at 横浜ベイホール(2013.11.23)

今回のツアー、僕は東京と橫浜を観に行った。 橫浜ベイホールは初めてだった。HPに乗っている簡単な地図をスマホに表示しつつ最寄りの元町中華街駅から街の中心とは反対方向に歩き出し、どんどん無機質で工業的、道幅が広く高速が空を閉ざす「港湾」な雰囲…

After the noise is gone - Rayons

本作を聞くのに良い季節になってきた。 中井雅子さんという音大出身の方のソロプロジェクト。六曲中三曲にプリドーンがボーカルとして参加しており、残りはインスト曲。本作について、「ポップ寄りでメロディのはっきりしたポスト・クラシカルなアルバム」と…

ヒミズ - 園子温監督

原作漫画は何度も読んだ事がある好きな作品。本作は設定も脚本も雰囲気もまるで原作とは別物で、且つ原作の持つどちらかというと普遍的な性質に今現在の社会性を入れ込むという姿勢が特に原作ファンに受け付けないのは無理も無いが個人的には、園監督の映画…

Laideronnette - matryoshka

1stから5年の時を経て世に出されたマトリョーシカの2nd「レドロネット」。物凄く楽しみにしていた一枚だった。ラヴェルの組曲に登場する、世界一醜い女王の名から取られたというこのタイトルがまず衒学的でたまらない。 ただ楽曲を聞いてみると、構築の奥行…

出現 - ギュスターヴ・モロー

日曜美術館でモローが特集されていた。上の「出現」や「オルフェウス」といった代表作しか知らなかったので、晩年近くに製作されたという殆ど抽象絵画みたいな作品群や、また中年期には長い間隠遁していて作品を発表することもなく、只管アトリエに籠って製…

燃料補給のような食事 - 石田徹也

日曜美術館で石田徹也が特集されていた回を見ていたら、唐突にeastern youthの吉野が登場してきて驚いた。何やらアルバムやシングルのジャケットに使った事があるらしく、その縁でインタビューを受けていたようだ。しかも結構長く取られていて、久しぶりにイ…

Mr.“All Bad”Jordan - OMSB

おむすびのソロを今更ゲット。噂通りの快作。真っ向勝負感の強すぎるジャケットも素晴らしい。ちなみに上の写真はジャケットではないが、最高過ぎるので載せた。 トラックのセンスやラップは言わずもがなだけど、特筆すべきはミックスやマスタリングのレベル…

トト・ザ・ヒーロー - ジャコ・ヴァン・ドルマル監督

フランス映画。TSUTAYAの発掘良品棚で何気なく手に取ったのだけど、傑作。 観る前は如何にもフランスな、直球の「妖しい少女」系かと思っていたが、実際はなかなかのごった煮映画だった。ミステリー要素や、ギャング映画っぽい長年に渡る男同士の愛憎入り交…

回想

久しぶりに吉祥寺に行った。上の写真は改装を終えた焼き鳥のいせや、井の頭公園口店(右下の明るい所が持ち帰り用の焼き場)。僕は別に懐古主義者ではないが、これは。何と言うか間接照明ばりばりの小綺麗な店構えになっちゃって、これではまるでお向かいの…

天使の涙 - ウォン・カーウァイ監督

最近ブルーレイが発売されたので購入。当たり前だが、映像が滅茶苦茶クリアになっていて非常に感動する。 前作である「恋する惑星」と兄弟のような作品だが、惑星よりも監督の色は強くなっていて、何というか格好良いシーンの格好良さも上がっているものの、…

八十八ケ所巡礼 at 渋谷クアトロ

昨日は八十八ケ所巡礼のワンマンに行った。客の入りは7割位だろうか。これ位の入り具合だと結構動きやすくて、ライブ途中にトイレに行ったり酒を買って元の場所に戻ったりといった行動がやりやすいのでそういう意味では非常に有り難いが、しかしそれにしても…

Specter at the Feast - Black Rebel Motorcycle Club

11月にめでたく来日が決定したBRMCの最新作。アナログは赤色の透明仕様。 最高傑作かもしれない。僕が彼らを聞き始めたのは確か2ndが出た直後からで、howl-sessionsやamerican-Xなどのアウトテイク集、果ては実験音楽のようなeffect of 333まで全て聞いてい…

リリィ・シュシュの全て - 岩井俊二監督

これも夏が似合う映画だと思う。岩井俊二は本作と、「花とアリス」の二本が特に好きです。 およそイノセントという言葉で表される全ての甘さと痛みが、この映画には詰まっている。よくもまあ四十絡みのおっさんが、こんなにも中学生の視線に降りていけたもの…

海水浴

先日、海水浴に行った。フェネスのエンドレスサマーを聞いていたら、たまらず無性に行きたくなったんだった。 海の家でコロナなど飲みつつ真っ赤になって浮き輪を膨らませていたら凄く可愛い店員さんが見かねて、店のポンプで空気を入れてくれた。 浜から50m…

暗戦 デッドエンド - ジョニー・トー監督

今作は監督の熱いギャングものなんかと比べるとサスペンス要素が強く、ノワールっぽい濃厚な雰囲気はあまり無いが、反面都会的なクールネスと一匹狼同士の駆け引きや交流がより際立つ。文句無く傑作。アンディ・ラウはインファナルアフェアを観た時はルック…

鈍器

先日新宿のドンキに行った。僕は閉塞感の強い場所や埃っぽい場所がかなり苦手なのでまず行かないのだが、所用で必要になった幾つかのものを一気に揃えられる便利な場所がドンキしか思いつかなかった。 本当に久し振りに入ったのだが行くと結構楽しくて、バス…

23 - Blonde Redhead

異人種混合バンド、ブロンドレッドヘッドの七枚目。他のアルバムも好きだが中でも本作と五枚目(melody of certain damaged lemons)は非常によく聞いている。日本人女性一人とイタリア人男性二人(凄いハンサムな双子)という編成のバンドがニューヨークを…

アイガー北壁 - フィリップ・シュテルツェル監督

暑い。涼しい映画を。 冬山登山もので実話ベース。1936年当時のナチス体制下、アルプスのアイガー北壁初登頂に挑んだドイツ人男性2人が主人公。角度90度以上、天候も急変する死の壁を文字通り死にものぐるいで登攀する主人公達と、その格闘ぶりを麓のホテル…

今年は蝉が少ないと思っていたら、毎年蝉が少ないと言われている件、のような感じでネットでまとめられていた。でも今年は自分の生活圏、特に自宅周辺では本当に少ない。勿論、すわ大災害の予兆か!とか思っているわけではなくて単に周期なのだろうけど、静…

LOSTAGE - LOSTAGE

奈良を拠点に活動するバンドの四枚目。元は四人組でメジャーデビューもしていたらしいけど、僕はスリーピースになって且つ自主レーベルを作って活動しだした本作で知った。 上にも書いた通り本作はメンバーの脱退やメジャーレーベルからの離反を経て作られた…

水の中の八月 - 石井聰亙監督

石井聰亙が小嶺麗奈をミューズとして撮った2本の内の一作で、夏になると観たくなる映画の一つ。ちなみに同名の短編小説やドラマがありますが、本作とはまるで関係なし。たしか監督がもともと脚本を温めていたところに、たまたま目に入った上記小説の「水の…

Zatracenie – matryoshka

アルバム名はザトラツェニエと読みます。バンドではなくて、トラックメイカーとVoの二人組。これは確か発売当時にジャケ買いしたのだと思う。初めて通して聴いた時は、悪くはないがいかにも狙いすぎのメロディに格好付けたアレンジだと一聴して判断してしま…

月に囚われた男 - ダンカン・ジョーンズ監督

デヴィッド・ボウイの息子であるダンカン・ジョーンズのデビュー作。近未来、月の採掘場で働く孤独な男の話。基本的にずっと一人芝居であることや、とても静かな月面が舞台ということ、更に間の取り方などの演出面も含め、全体にとても静謐な雰囲気。見だし…

ラブレス

先日新宿のディスクユニオンにマイブラのラブレス、それもオリジナル盤レコードが入荷している事を偶然知ったので、帰りに寄った。試聴してみると奇跡的なコンディションで音飛びも無さそうだったので即購入(帰宅後通して聞いたが本当に一カ所も飛びやノイ…

殺人の追憶 - ポン・ジュノ監督

実話を基にしたという韓国の作品。サスペンスとかミステリー映画史全体の中でも、十指に入る傑作ではないだろうか 全体的に暗く若干緑がかった画面や、要所では雨が降り注ぐ事、無惨な遺体を印象的にチラ見せする等の雰囲気はデヴィッド・フィンチャー、中で…

幽霊たち - Moe and Ghosts

group_inou辺りから俄に勃興し始めた感のある文系のラップユニットだが、本作はその異端にして極北。 トラックメイカーのユージーン・カイム(友人皆無ということだろうか。ライブで見たがかなりの男前)による、メルヘンなようなドライなような、シンセなよ…