THE MIRROR - 名古屋商工会館

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先週金曜の夜、銀座でTHE MIRRORと題された展覧会に行った。これは名古屋商工会館という取り壊しの決まっているビルをどうせならまるまる使って、色んなアーティストの作品を展示しようというもので、この手の試みは大体好きなのだけど案の定面白かった。

特に気に入ったのは二点。巨大な姿見のようなスクリーンにドレスを着た古い時代の白人女性がろうそくを灯したり部屋をウロウロするのが延々繰り返される映像ものと、上の方の階にあった曼荼羅の二つ。特に後者は絵画系の中では頭一つ抜けている様な印象の強さだった。抑制された色調の中で細部と全体がギリギリの、しかし奇跡の様なバランスでそこに収まっているというような。アブストラクトな抽象画とか二階にあったカラーフィールドペインティング的なものとかもろもろ、他のが悪かったわけでは決してないのだけれど。

しかし大戦の時代から建っているビルという場所に踏み入れるだけでも結構興奮した。そう考えるとあんな場所に作品を展示するのはやはり大変なのではないかという気もする。結構考えないと、簡単に場所に凌駕されるだろう。

こういう試みはいわゆる美術展に行くよりもずっとカジュアルだし、何より普通の街中に急に異空間への口が、特に目立つこともなく開いているような感じが楽しい。もっと色んな街で、散発的にあればいいのにな。